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25年度座間市協働事業:避難所開設職員研修(1班)を支援させていただきました。

座間最古の小学校
座間最古の小学校

10月12日。座間市相互提案型協働事業Eコース「座間市避難所開設担当職員研修」の実技編(第1班40名)を市立座間小学校で実施しました。暦は10月というのに何と外気温は30度を超えましたが暑さに負けずに取り組みました。

 座間市のこの職員研修は、単に「一応、研修をやった」ということではなく、実施するならば夜間のイメージをしっかり体験してもらうために(リアル)地震発生時刻を午前6時と想定して実施しました。
その時職員は、自宅で家族と共に地震に遭遇し、生き残り、自宅の被害状況を...把握、可能な範囲内で近隣などの対応処置を取ったうえで、ご近所に理由を話して、家族のことを依頼し各避難所へ参集することを想定しました。

 これらの処置におおむね6時間を要するだろうということから、12日 正午に担当する避難所へ参集し実技研修を開始しました。12日は、土曜開庁の日でもあり何人かの職員は遅れて参加、業務の都合で参加できない職員が2名ほどあり結果、38人の研修となりました。

 今年度の研修は、昨年の実技研修結果のアンケートを踏まえて工夫をしました。一番は、昨年は、1回の実施だったので「参加者が多く十分に体験できなかった」、「開設の流れはわかったが本当に避難者が来た時にどのようなことをすればよいのかもう少し具体的に考える時間が欲しい」などの意見がありました。
これを参考に、今年度は、担当者を2班に分けて1回の研修の参加人員を絞り、参加者全員が必要とする体験を出来るようにし、さらに現実の避難所で起こりうる「課題」をHUG(避難所運営ゲーム)を通じて考えるという課目構成にしました。その他、従来の訓練では「非常食」のアルファー化米の給食を行っていたが、備蓄食料が切れてしまった後、食料の供給困難になったことを想定し対策の一つを例示しました。それは、災害があっても各家庭には「米」はあるわけでこのコメを活用して給食を行う方法の一つとして「炊飯袋」を使った「災害食」炊飯+給食の体験を計画しました。

 職員は、参集後 名簿にチェックし各自、準備されていた「白色ガムテープ」に名前を書き胸に貼りました。
その後、ZSVNのメンバーの指導により「災害食」炊飯準備を体験しました。なぜ、炊飯袋が有効なのかについての説明を受けました。

 開講式、オリエンテーションを行い体験研修は始まりました。避難所施設は施錠されており施設管理者(学校長など)は参集が遅れている。職員は必要に応じて塀、門を乗り越えて校庭内に入って各自が持っている防災備蓄庫のカギで倉庫をあけて、体育館のカギ、開設に必要な資機材を折り畳み式リヤカーで搬出し避難所玄関に搬送する体験をしました。資機材庫内の収納物資は、扉の内側に書かれており必要な施設の鍵も所定の場所に設置されている。職員は倉庫内に入って確認をした。
避難所開設グッズのコンテナボックス内に入っている施設開設判定チェック表を取り出しグループで目視点検を行いチェック欄にチェックを実施判定基準により開設可能となった。
開設が可能となったので設置されているMCA無線機を使って市役所に設置されている災害対策本部に開設作業に取りかかることや本部からの避難所周辺地区の被害情報の報告を行った。

 受け入れ準備に取り掛かる。施設内部は地震の揺れによって壁やガラスなどが割れて落ちている状況を想定し清掃を念入りに実施した。ここで、安全防災課の職員から、避難者がわれ先に入場することも考えられるのでハンドスピーカーを使って開設準備が終わるまでしばらく待機してほしいこと、避難者の中で作業を手伝ってもらえる人に応援を呼び掛けるなど作業をスムーズに進める要領について説明があった。避難所は開設は行政の職員が担当するが運営は地域住民の力を活用することを説明した。

 場内の清掃が終了、テープによって場内の使用区分を表示する作業に取り掛かる。座間市の避難所は館内の入り口の壁面から約4メートルの範囲は共用スペースとして空間を確保することになっている。
場内は壁面四方は1m、中央部でクロスするように縦横1メートル幅に通路を確保、ステージ上は通常本部スペースとしてスタートすることになっている。館内は4つの区分が出来ることになる。ここまでの作業をグループごとに行い一応避難者の受け入れ可能となった。入り口付近に受付テーブルや、必要な表示が貼られて避難所らしくなってきた。

 ここから、避難者が来て受付名簿を作成しそれぞれの避難者の状況に合わせて4つのブロック並びに、4つの一般教室+物資格納用の教室を使って受け入れ体験に取り掛かる。実際に避難者を使えばよいがそれはなかなかできない。それに代わる方法の一つとして「HUG」というツールにより受け入れ作業を行った。
参加者を10名のグループに分けて4グループ避難所の床に広げた大判の茶紙(90㎝×220㎝)の避難所の図面の上に避難者カードを配置してゆくのである。
 参加者は、最初は何となく「なんだろうこれは・・・」「こんな作業が役に立つのだろうか?」などの感じでいたが、時間の経過とともに提示される課題に引き込まれていった。ゲームの説明時間20分間、実質のゲーム時間70分間、振り返り、総括30分間を行った。
 休憩後、夕闇が迫り運動場は暗くなり始め発電機が必要となった。全員一人ひとり発電機の操作体験を実施しました。気温も高く、連続して実施したので簡単にかかったが、実施は苦労することを話しました。

 いよいよ災害食による豪華な夕食の体験が始まりました。炊き出しはZSVNのメンバーが薪を使って炊き上げ保温用のストッカーで蒸らした後、放熱して冷ましておいた。なぜ、災害食が必要なのかその利点は何かについて説明したのちに各自準備された「ふりかけ」などを使っておにぎりを作り、ZSVNメンバーの作った超スペシャルな簡易味噌汁で災害食を食べました。その味の良さに驚いていたようです。

 夕食を済ませて体育館内で今日の研修のまとめを行い閉講式、約8時間の研修を終えました。
その後、全員で使用した資器材の、体育館内に貼ったテープ、表示、椅子、」机などを片付けて解散となりました。お疲れ様でした。
受講者にとっては、大変な研修だったと思います。これを企画、準備、実施した安全防災課職員とZSVNのメンバーも大変でした。しかし、このように市民団体と行政が協働参加して研修をすることが「共に自分たちの街を守る」という連帯感を醸成するものと信じています。第2班は29日に会場を別の学校に移して実施します。