会場にはスクリーンが置かれています。
つらい記憶を掘り起こすのはどうかという議論もありましたが、阪神淡路震災の記録映像を会場で流し続けました。20人程度来場者がテーブルについて所を見計らって「震度6強」の揺れの記録映像を流して、あの日、神戸で何が起きて、その後の避難生活の過酷さや心の傷について、私のささやかな体験を交えてお話をさせていただきました。
映像を見ると一瞬驚いたような顔をしますがどこか「映像の世界」の出来事に感じているのですね。
このクラスの地震がこの座間市にもくる可能性が否定できないのです。
でも、どこか、3年前の3・11の時の地震が、座間市に起きる最大震度のような感じでいるのです。
「うん、あの時テレビは大丈夫だった」「うちは何にも被害がなかった」「そんなに心配する必要はないよ」…などの反応が見受けられるのです。それでいて、津波の映像にはくぎ付けになりあの日の驚きを語り合っているのですね。座間には津波は来ないのです。
私たちが、今、学ぶべき震災は「阪神淡路大震災」の都市型災害なのです。
座間市も残念ながら十分な都市計画がなされないままに郊外都市として発展してしまったために住密地域が市内に何箇所かあります。現在も、消防自動車が進入できない道路があります。救急車が住宅に横付けにできないためにストレッチャーで急患を搬出する場所があります。
もし、この地点で出火してしまったら風向きによっては、大火が想定される地域もあります。逃げまどい避難先すらも火災に囲まれてしまう・・・関東大震災のミニ被服廠的な被害があるようなところもあります。
自動車で避難することを考えている市民の方も多いのです。ところが、市内を横切っている国道246号線は災害時の緊急道路となります。そのことも知らない人がいます。246号線に接続する県道も災害救援指定道路になっています。したがって座間市内は自動車では動くことはできないという覚悟が必要なのですが残念です。
そのような中、今日は、小さなお子様を連れて会場へ来てくださった方が何人かいました。この方々は、真剣に考えていました。行政は子供たちのためにどの程度の備蓄をしているのだろうか?などについて質問がありました。
私たちは、結局は「自助」が基本であること、向こう三軒両隣の「隣助」に頼るしかないことをお話しさせていただきました。普段、ちょっと苦手だなと思っている近所の「おばちゃん」や「おじちゃん」が頼りになるのですよ。おせっかいだけどたくさんの生活の知恵を持っているのだから「お願いします。助けてください」ということで乗り切れるのですよ。ということを話しました。
ぼうさいカフェの素晴らしいところは、このように時間制限なくコーヒーを飲みながら災害の話が出来るところなのです。でも、どういうわけかなかなか広まらないのですね。近隣市町からも私たちと一緒に活動している災害救援ボランティアの方が提案してもなかなか受け入れてもらえないようです。
確かに、防災訓練も結構です。講演会や講座も結構ですが・・・もっと裾野の話が出来ると本当の減災活動や災害対応活動に進化するのですが・・・真似するのが嫌いなのかな。
ZSVNのメンバーも、日を追うごとに市民の方々への接し方や、説明の仕方がうまくなってきました。
コーヒーの味もよくなってきました。うれしいのは、メンバー個々人が、自分の空いた時間だけでも会場に入ってくださって手伝うのではなく主体的に活動してくれることです。ZSVNはまだまだ進化する可能性を秘めています。 明日は、1月17日です。
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