27年度サマーボランティアスクール支援活動を行いました。(1)

 27年度 座間市社会福祉協議会「サマーボランティア・スクール」活動はそれぞれの分野ごとに分かれて開催されました。ざま災害ボランティアネットワークは「災害を考える」というジャンルで参加させていただきました。


 今年度も、8月17日、18日の2日間にわたって座間市消防署の「少年少女消防教育講座」とも連携を図って三者の「協働」で行いました。

初日の8月17日は、久しぶりの雨でした。朝はかなりの雨が降り一時座間市にも警報が発令されていましたが活動が行われる時には、雨もやんで気温も下がり安心しました。初日ののプログラムには中高生8名が参加してくださいました。


 最初は、2日間の講座を通じて大切なこと「礼式」について消防職員の方から指導がありました。礼式というとなんだか物々しいのですが、学校で行っている「団体行動」と同じようなものです。つまり、団体行動を行うにあたって、安全・迅速に行動できるための基本動作です。「休め姿勢」「気を付けの姿勢」「集まれ」「整列」「敬礼の動作」など基本的なことを学びました。「頭なか(かしらなか)」という号令は初めての経験だったと思います。


 いよいよ、講座です。最初に、災害から身を守るということで「シェイクアウト訓練」を行いました。さすがに座間市内の生徒だけあって、緊急地震速報の音と「地震!」と警告すると全員素早く、テーブルの下へもぐりシェイクアウトの安全行動ができました。私は、このように素早い行動がとることができるのは、県央地区でも毎年、1月23日「いっせい防災行動訓練」に取り組んでいる座間市の児童・生徒・市民だけであることを話しました。このことは、万一大規模な地震災害があった時に、座間市の人命に関する被害は可能な限り小さくなるということを話しました。


 多くの人は、災害ということを言うと「〇〇を備える」・・・というようなところから話を始めますが、まずは、自分そして家族の安全確保「いのちを守る」行動が最優先であることを改めて話しました。

次いで、座間市そして神奈川県がおかれている災害、特に地震の環境について新しい神奈川県地震被害想定の資料を使って説明をしました。何よりも「いのち」を守ること、そして「家族・隣人」を助けるということ、自分自身が被害を受けなければ「助ける人」=重要な人になることができることを話しました。


 休憩をはさんで、防災ゲーム「ナマズの学校」を行いました。このゲームは、発災後「いのち」が助かって「助ける人」になったという条件の中で始まります。

紙芝居を使って、まちの中で災害が起きた時に「君たちの力」でできる行動を考えるにあたって「まち」の中から助けるための道具を探して競い合うゲームです。

始めに、練習ゲームをして、全員がゲームの方法を理解してもらい始まりました。災害があった「まち」を歩いていて様々な場面があります。たとえば、「崩れた家の中で家具の下敷きになって助けを求めている人がいます」その時、あなたの手元にある使えそうな道具カードを1枚自分の前に出してください。というようなゲームです。

たとえば①フォークリフトのカードを持っている人がいます。②ジャッキのを持っているひとがいます。③バール(かな梃子)を持っている人がいます。④角材を持っている人がいます。それぞれ思い思いの道具を選んで出します。


 ゲームの解答を考える基本は、誰でも使いやすいもの。誰もが手に入れ易いものと、いう切り口で考えます。確かに、①フォークリフトは頼りになる道具だと思います。しかし、鍵はどこにあるのでしょう。運転する免許はありますか?ということを考えるとそう簡単には使えないことがわかります。②ジャッキは車の中から持ってくることができます。使い方さえわかれば誰でも使うことができます。③バールは、町工場やガソリンスタンドに行けば借りることができます。比較的入手しやすいですし操作も簡単です。④角材は、地震で被害を受けた街の中には転がっています。それを持って来れば梃子の応用で家具の下の人を助けることができます。

そのようなことから、④、③、②、①の順でポイントが与えられ「ナマーズ」という得点券をもらうことができます。その合計点で勝ち負けを決めることになります。このようなゲームを読み手の話術の面白さに引き込まれて熱中していました。地震災害の時に、街の中で注意すれば助ける、手当てをする、知らせる、運ぶというような中高生でもできることがあるということを考えてもらいました。


 昼食後、「普通救命講習」を受講しました。

座間市では、3時間の普通救命講習を受講して効果測定で一定の点数をとれば「普通救命講習修了証」を交付しています。今年度の受講生にも受けていただきました。


 まずは、救命ということの大切さを学ぶために「いのちの連鎖」のDVDを見て必要なことを学びました。その後、2つのグループに分かれて実技研修を行いました。講師は、座間市消防救急隊の隊長でした。厳しくも優しい指導がありました。


 傷病者発見⇒周囲の状況確認⇒傷病者への呼びかけ意識の確認⇒救助応援者の呼びかけ。消防119への通報依頼。AEDの搬送依頼⇒呼吸の確認⇒呼吸なし:胸骨圧迫法(以下心臓マッサージ)の実施(1分間100回のリズムで30回、人工呼吸2回・・・繰り返し実施)⇒AEDの到着・・・以下省略を交代で実施しました。

使用する人形はおおむね小学生以上、成人、それ以下の人への心臓マッサージ、乳児への心臓マッサージ法などを学びました。


 いよいよ効果測定です。今回は、救急車の到着平均時間が8分30秒間を想定して救急車が到着するまでの8分30秒間、チームで交代しながら心臓マッサージを実施し、人工呼吸を行い、AEDの取り扱いを行うという厳しいものでした。男子グループは比較的体力がありますが、女子のグループにとっては人形の体を同じ力で押し続けるのは大変な作業です。汗びっしょりになりながら、息も絶え絶え、心臓を押す回数を数える声もとぎれとぎれになり、周りから「声が小さい」と檄が飛ばされる中でやり切りました。

ということで、全員効果測定合格となりました。終了後、飲み物を飲みながら振り返りを行い明日(18日)の消防体験の注意事項を聞いて解散となりました。今まで体験をしたことがない講座や研修だったと思いますがきっとどこかで役に立つと思います。お疲れ様でした。