2月4日 恒例の座間市内のヤナセ幼稚園の「親子防災講座」を行いました。この幼稚園は平成12年から定期的に2月のこの時期に、親子で災害を体験する講座を行っています。
この企画は、幼稚園と何回か試行を重ねて、2年前から現在の形で進めています。
今年度は、年長さんの園児が約70名ということでゆっくりした活動ができました。この講座の大きな狙いは、保護者の方に災害をイメージしてもらうこなのです。
残念ながら、この世代の保護者の方は、防災に対するイメージ力が低いのです。知識としてはそれなりに持っていても、その知識を具体的行動としてできない傾向が見えます。
座間市は、毎年1月23日 午前11時を期して「座間市いっせいb防災行動訓練(シェイクアウトアウト訓練)」を行っています。この訓練では、市内の教育機関、幼稚園、保育園は教職員を含めて全員が合図にしたがって、それぞれ地震から身を守る行動訓練を行っています。また、園では子供たちの「いのち」を守るために必死に取り組んでいます。園によっては毎月1回のシェイクアウトアウト訓練を行っているところもあります。
しかし、残念ながら保護者はなかなか災害のイメージがわかずに無関心な方が多いようです。園では命を守る観点から、保護者の災害に対する意識の向上を狙った企画を私どもに依頼をされて実施してきています。
この日も、保護者に対して抜き打ちで「緊急地震速報」のテロップと音声を流しました。ところが、反応を示した保護者は数名でした。
同じ、時刻に園児に対して「ダンゴムシ行動」を出すと、その場で、園児はシェイクアウトアウトの安全行動をとっていました。
この行動の差の結果がもたらす事態について保護者に質問しましたが、イメージが浮かばないようでした。
園は常日頃から保育者として「いのち」を守ろうとこのような習慣を身につけさせているのです。同時刻、保護者が無関心であればこの中の何名かは、けがをしたり最悪の場合には死んでしまうことになるのです。そのことは、「災害孤児」を生んでしまうことになるのです。このことを強く話させていただきました。
講座の基本は、「食べる」ことをテーマに「災害食」を考える体験を行います。
「非常用炊き出し袋」を用いた炊飯と、災害食の工夫をして親子で食べることをします。災害の食事は、画一的に「アルファー米」という単純なことではなく、限られた条件の中でも「普段食」を続けることが大切であることをわかってもらうための取り組みです。
炊飯の時間を使って、毎年少しづつ工夫をしながら「出す(排泄)」を考える・・・災害時のトイレについて実際にどのようにしたらよいのか体験をしてもらいます。 併せて、今年は、身近な道具を使った「応急手当」について学びました。パンスト、タイツなどをはさみで切って応急手当をするというものです。さらに、けが人を搬送する体験として「毛布を使った簡易搬送」にも取り組みました。
災害食は、おかずは、家庭にある缶詰などを持ち寄ったり、小袋のふりかけをかけながら親子で食事をしました。避難所ってこんな感じなのですね。実際は、こんなに笑顔はありませんが・・・パスタを使った災害食の試食もあったり、最後は、蒸しケーキのデザートもありました。
今年は、パパの参加もありました。私たちの時代には考えられませんでしたが、ママたちと楽しそうに取り組んでいました。
この活動を通じて家庭における災害対策、減災行動が変化すれば素晴らしいと思います。何よりも、大人の判断ミスで子供たちの「いのち」が失われないようにすることが最大の課題です。子供たちが生き抜いてくれればこの「まち」は必ず再生するのです。参加された保護者のかた約60名の中で1人でよいです。昨日と今日の備えが進化すれば場面は大きく変わるはずです。
いつもいつも言い続けています「生き残らなければ何も始まらない」という座間市の防災行動「キーワード」を真剣に受け止めていただければと思いました。
この活動に、座間市の生涯学習活動の「子育て情報誌ざまっぷ」の編集委員の方が取材に来てくださいました。また、参加されていた保護者の中からも、自分たちの活動団体にもこのような活動をしていただきたいというお話もいただけました。このように、次世代につなぐ活動こそが大切だと思っています。
28年度はこのあたりに焦点を置いた活動を推進したいと思います。
私たちの活動に学生さん3名も参加してくださいました。彼らは初めての体験だったと思います。社会活動の一環を体験できたのではないかと思いました。
参加してくださったメンバーの方、ご苦労様でした。
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