11月25日。
市立栗原中学校の福祉授業の中の「災害授業」を担当させていただきました。この中学校とのお付き合いは長いです。2コマをいただけるので子供たちに多くを伝えることができます。
一昨日、福島県沖で地震が起きました。
この子供たちは5年前の3・11の時には、小学校1年生だったのです。あの時のことを質問してもなんとなく自信なさそうな記憶状況でした。
何よりも驚いたのは、一昨日の地震を知らずに寝ていた子供たちが7,8名いたということです。
ということは、家庭で誰も起こさなかったということですね。
これって家庭内の危機管理意識に課題を残しますよね。
午前6時の発災ですので、保護者は大体起きていると思うのです。(決めつけるのはいけないと思いますが)その時に、緊急地震速報が流れたわけです。それなのに子供たちを起こさなかったということが私にはショックでした。
私は、あの時刻の発災でしたので子供たちは自宅で保護者と一緒だから安全だろう・・・と思っていましたがそうでない家庭があるということこれは今後の解決すべき課題だと感じました。
今日の授業は、「生き残らなければ何も始まらない」ということを子どもたちへ理解してもらうことでした。合わせて君たちには「いのち」は一つしかないということを伝えたかったのです。ここで、不意打ちに「緊急地震速報」のチャイム音を流しました。きわめて素早い対応行動を取ってくれました。何名かが「これって本当の地震?」といってきょろきょろしていましたが・・・。大丈夫です。この子たちは、3年生から体験しています。
たった一つのかけがえのない「いのち」を守るのはあなた自身であることを理解してもらわなければなりませんね。中学生は災害時には保護されなければならない側面もありますが、一方では、地域の支える力の一つになってほしいのです。
あなたたは役に立てるのだということを話しました。
校内にいるときに発災した場合には、先生方が全力を挙げて子供たちを守らなければならないのです。それでも、友達が「けが」をしたら助けるのは、あなたたちの役目であることを話して後半の実技に移りました。
A班は「応急手当」(三角巾の基礎)、B班は「簡易搬送」を30分づつですが体験学習をしました。
三角巾は、毎年ですが苦戦します。最近の子供は、「結ぶ」という作業が日常の生活の中から消えてしまっていることから「本結び」ができないのですね。柔道でもやっていれば多少は身についているのですが、大変でした。
それでも、三角巾から包帯を作ってお互いに「腕」、「膝」、「頭」の包帯法を学びました。
一方、B班は簡易搬送のグループは、毛布を使った担架搬送を体験しました。
昨年度から、負傷者の身体の下に毛布を入れてから担架を作って運ぶ方法を取り入れました。
よく、搬送法をやっていても、負傷者役の人が直接毛布の上に横になって始まる事例が多いです。でも、こんなことは絶対にないわけです。多くの負傷者は道端などに倒れているわけです。このような現実の姿をきちんととらえた訓練が大事なのですね。子供たちは毛布で友達を簡単に移送できることに驚いていました。
最後に、再度、「生き残らなければ」今日学んだこともすべて無駄になってしまうこと、生き残ら中れば役に立つ人になれないことを話しました。
そして、災害を考えるときのキーワードは、「生きる」、「備える」、「関わる」ということ、備えは「食う」、「出す」、「飲む」、「情報の確保(電力の自助)」が大切なことを話し、難しいとは思いましたが、「この国には被災体験者と、これから「被災者になる人」しかいないということを伝えて終わりました。
本当に真剣に授業を受けてくれました。ありがとうございました。
君たちは、必ず大規模地震災害に巻き込まれるという前提で自分の命を大切に生きてほしいと思います。ありがとうございました。
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