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体験型市民防災・減災訓練を行いました。

がれきのなかを水を運搬するちちびっ子です。このような教育が地域の力になるのだと思います。
がれきのなかを水を運搬するちちびっ子です。このような教育が地域の力になるのだと思います。

11月26日。ちょっと寒い朝でしたが、天気は良好でした。

平成28年度座間市・ざま災害ボランティアネットワーク(ZSVN)による協働事業の、「体験型市民防災・減災訓練」を座間市役所ふれあい広場で開催しました。市民、職員の方そして支援者等約90名の参加者がありました。

8時 市職員、ざま災害ボランティアネットワークメンバー及び、近隣防災SLネットワークの支援者が集合し準備にかかりました。

 今回は、久々に市長室危機管理課の備品の大型の「エアーテント」も出動・展示、使用させていただくことができました。展開作業も、格納作業もZSVNのメンバーの手で行い、スムーズ行うことができました。幅4メート、長さ5.4m、高さ3メートルのドーム型のテントですので、今日のように寒い日にはとても助かります。(中ではZSVNの装備品の灯油バーナが活躍)

 

訓練は、すべてが体験型ということで、指定された「昼食用炊出し準備作業」、「バケツリレー体験」以外は参加者が自ら選択して体験できます。今日は家族連れの参加者が多く会場はほのぼの感がありました。写真がUPできないのが残念。

 

9時30分、主催者挨拶、準備体操(おらほのラジオ体操)を行った後に訓練の安全管理の注意を行い、三々五々各ブースに散ってゆきました。

それぞれのブースには、ZSVNのメンバーや防災セーフティーリーダー(防災SL)がついて解説・指導しながら体験できます。

 

今年のテーマは、7つです。

「食う」は「非常用炊出し袋」を使った災害食の仕込み体験をします。

 

「出す」は排泄の課題に取り組むブースです。排泄は最大の課題ですので皆さん真剣に取り組んでいました。

 

「飲む」は飲用水の確保と運搬・配水体験です。各家庭で備蓄している水を使い切ってしまった後どうやって飲用水を確保するのか?について体験します。

座間市では、市内のほとんどの小中学校の校庭や公園に地震発災と同時に新鮮な飲用水が50トンから80トンが貯水できるようになっています。この貯水槽に井戸を設置して手動式で水をくみ上げ給水を受けられます。しかし、この水の給水を受けても自宅まで運ぶのは自力です。

自動車を使うことは無理です。手でそれぞれが運ばなければならないのです。道路はガタガタになることが想定されます。そんな条件を話した後、様々な道具で水を運搬してもらいます。

こんな訓練を体験できる場所はおそらく神奈川県内でも座間市だけだと思っています。

皆さん、思い思いに取り組んで感想を漏らしていました。「運んだ水をマンションの上までどうやって運ぶの?」には「ご自分で考えてください」と答えます。

災害時にはそのようなことは、自分でやるしかないのです。

 

私たちの体験型訓練の目的は災害の「気づき」をわかってもらうことなのです。遠藤市長もお忙しい中ごお越しくださいました。「このような実践的な気づきを感じさせる訓練が大事だね」とのお話がありました。

 

④情報の確保→電気の自助です。

このHPでは何回も書かせていただいていますが、想定される「都心南部直下地震」が起きた場合には、首都機能が壊れることになります。となれば、直後の復旧作業は首都に集中します。

東京都を囲む衛星都市への救援はかなり遅れると考える必要があります。電気の復旧も遅れると思います。阪神淡路の時は電気は3日後から徐々に復旧しましたが、おそらく最低でも1週間、下手すれば10日間は電気がない生活を想定しなければならないのだと思います。そのようなことを説明しながら、発電機(ガソリン、LPG、カセットボンベ、太陽光蓄電)などを展示しその長短を説明するとともに発電機の起動、停止手順、発電した電力の使い方を学んでもらいました。

 

⑤応急手当と簡易搬送体験のブースも盛況でした。

この種の訓練には心肺蘇生とAEDの操作を取り入れている例が多いです。私たちも昨年度までは実施していました。しかし、様々な過去の災害、そして熊本地震、鳥取地震などの災害時のことをよく考えると、救急車が来ない心肺蘇生やAEDを体験しても役に立たないのではないかという現実に気づきました。

それよりも必要なのは、簡易搬送の方法と三角巾などを使った「応急手当法」が必要ではないかということでこの科目を強化してきました。

今回は、倒れている人を担架に乗せるにはどうしたらよいのかという最も基本の取り組みを体験してもらいました。倒れる人は最初から毛布や担架の上に倒れません。道端や、救出された地面の上にいるのです。このような人を毛布などの担架代わりになる道具の上に乗せる技はどのようなものなのかです。

私たちの訓練は常に進化することに心がけています。

(心肺蘇生訓練の必要性を否定しているのではありません。平時には役に立ちます。)

 

⑥家具の固定とガラス飛散防止 ガラス家具へのフィルム貼体験。

これは、地震が来る前の対策を考えるブースです。実際に大型のTVを展示して固定方法を説明しました。耐震ジェルなどでは安心できません。ジェルは劣化が進みます。何よりもワイヤーで固定することが大事です。などなど、様々な技を参加者のかたに体験していただき、自宅の減災・災害対応に役立ててもらおうとするのです。

 

⑦消火訓練 座間市は県内でも有数な住宅密集地域を抱えています。ということは、地震で家屋の倒壊などが起きて火が出ると大変な災害が起きます。そのためには常日頃からの「防火意識の強化」が大切です。それでも出てしまったら小さな火事のうちに消す、「初期消火」が大切です。そのために、今回は、新しく「投てき水パック」の訓練を導入しました。さらに恒例のバケツリレーの体験もしました。このような技が地域に拡散することが私たちの希望です。

 

このような訓練をして、どのくらい役に立つのか?という質問を受けます。

私たちは、行動化で来た人だけでも「いのち」を失わなければそれで成功だと思っています。

今日は、約60人の方々とお子さんが参加していました。このうち1%の方…すなわち0.6人…約1人の方が、帰りにホームセンターでガラス飛散防止フィルムを購入して貼ってもらえればうれしいです。全部の人を変えるなんて誰にもできません。助かりたい人だけが助かれば良しとしています。そして、その行動を見て「家もやろう」と思う人が出てくれればラッキーだと思っています。

 

減災・災害対応行動や活動はそのようなものだと思って取り組まなければ「心が折れて」しまいますよ。しかし、現実の災害の時には、行政はすぐには助けてくれません。助けたくとも助けられないのです。平時の体制の行政機構には、そのような即応力はないのです。このことだけは、市民として理解しておく必要があると思います。この意識を変えなければ「地域防災」は変わらないと思います。

 

最後に、炊き出しの食事(「災害食」)を皆さんで食べました。メニューは、ふりかけおにぎり、即席みそ汁、じゃがりこサラダ、パスタ(ペペロンチーノ?)、デザートには蒸しケーキやプディングが出ました。充実した体験訓練だったと自画自賛しています。

 

ZSVNのメンバー、そして防災SLの支援者の方、さらには休日にもかかわらず出勤してくださった市長室危機管理課の職員の方々ご苦労様でした。

 

次は、1月17日からの「防災カフェ」そして、1月23日の「シェイクアウト訓練」です。