1月23日 午前11時 座間市では市内全域で座間市いっせい防災行動訓練(シェイクアウト・プラス1 in 2017)が行われました。事前訓練参加登録者数は5万3千115名となりました。
この訓練は、平成24年度から座間市とざま災害ボランティアネットワークの協働事業として、神奈川県下では初の取り組みとして行われ今年度で5回目の訓練です。訓練自体は実に単純です。
①期日、時刻を決めて、②科学的根拠のあるデーターによる訓練想定を③市民へ周知して、④合図と共に市内一斉に1分間、⑤各人がその場でわが身と家族の安全を確保する行動を取るだけです。
座間市では、この訓練を終えた後、教育機関、市民個々人、自主防災会、自治会、各種団体、企業、商業施設等が個々に工夫した訓練をプラスすることを勧めてきました。これを「プラス1」と呼んでいます。
行政機関としての座間市はプラス1訓練として地域防災計画の手順に従って「災害対策本部」を立ち上げ関係要員を招集して、開庁日における全庁の初動対応訓練を展開しました。
この訓練は、年々レベルが向上し実戦対応に近くなってきました。座間市地域防災計画に定める「初動の対応行動」が円滑にできるかの検証訓練です。
会場には、座間市幹部職員のほか、神奈川県、座間警察署、陸上自衛隊からリエゾンも入り、座間市の対応状況をつぶさに見ながら各機関ごとに対応に取り組みました。今年度からは、災害ボランティアセンターの開設の情報を共有するために座間市社会福祉協議会からも連絡員が参加することになりました。
併せて、座間市と災害相互支援協定を締結している秋田県大仙市並びに福島県須賀川市も参加して、座間市の被害が甚大であるという想定から、座間市長が応援要請をする訓練も行われました。あいにく23日は、秋田県大仙市付近は強い降雪があったために衛星電話の通信状況が悪く接続できませんでした。即座に災対本部職員によって予備の回線を使って対応することで応援要請を発することができました。
このように、災害時には何が起きるかわからないのです。年1回、このような訓練を行うことで、課題の掘り起こしができ「安全安心」が確保できるのだと思います。
「たぶん」とか「まあまあ」とか「これは訓練だから」という気分の訓練は百害あって一利なしと思いました。多く行われています訓練時間にあわすような想定下の訓練は非常に危険であることは、過去の災害でも実証されています。
午後からは、座間市中堅職員対象の図上訓練と罹災証明発行システムの操作検証訓練が行われました。
また、13時からは甚大な被害が起きた座間市の3日後を想定し「災害ボランティアセンター」を開設することになった想定で地域防災計画の手順に従ってサニープレイスにセンターを開設しました。
ざま災害ボランティアネットワークは、エイドステーションを開設するとともに災害ボランティアセンターの開設(会場設営・準備)、活動ボランティアの受け入れ作業を行いました。約40名の活動ボランティアの方が駆けつけてくださいました。
23日は、平日ですので社会福祉協議会は通常業務を行う中、災害ボランティアと社協の活動可能な職員が中心となって、ボランティアの受け入れ、助けて情報の聞き取り、派遣先への送り出し作業を行いました。
限られた人員でセンターを開設・運営することは大変なことをメンバーも感じたと思います。
反省会では様々な意見が出されました。これらのことは、平時だから感じることだと思いますが、もし、発災した中で「助けて情報」を収集しながら、情報分析を行い、支援情報として活動ボランティアの方に提供しながら送り出し、作業をしてもらい、帰着したボランティアの方のフォロー、ケアーをするとなると大変なことになると思います。
社会福祉協議会とざま災害ボランティアネットワークが共に訓練を開始して5年間、座間市長がセンター内の個々の機能や役割を聞きながら巡回してくださるのは初めてでした。市長は、足を止めて活動状況を見て、説明員の社協職員の話を聞いてくださいました。
座間市は単に、シェイクアウトを一発型の防災イベントで打ち上げるのではなく、1年間、市内における様々な防災に関する活動を積み重ねながら、その集大成としてこの訓練を行っています。
このような運営方式を採用している自治体は全国広しといえども座間市だけだと思います。
このようにな、市民、行政、関連機関が毎年少しずつ視点を変えながら愚直に取り組むことこそが地域防災力を高める源泉になると思っています。
遠藤市長が「災害対策本部開設訓練」の講評でおっしゃられていたように、私たちは、現在、想定されている「都心南部直下地震」の時には、「首都がやられてしまう」ことをきちんとイメージしなければならない。・・・・ということは、人、物、情報のほとんどが首都に集中せざるを得ない。その時に、座間市はどのように対応するのかを考えておかなければならない。それは行き着く所、首都機能が復旧するまでの間は、衛星都市のすべては、それぞれの市町村内で被災を受けた人を、比較的被害の少なかった人たちで助けてゆく…すなわち「お互い様支援」の機能を使って期間を過ごさなければならないことだと思います。私たちは、そのことを重く受け止めて、自分のまちは自分たちで守るという厳しい現実を周囲の方々へきちんと伝えることに取り組まなければならないと思いました。
今年度は、シェイクアウト写真コンテストも開催することになっています。こうした関連イベントを含めて座間市の減災・災害対応力は向上すると思います。
市民の方々のより高い意識向上を期待し来年度に向けてさらなる取り組みを強化したいと考えています。ご協力ありがとうございました。
なお、3月にはシェイクアウト訓練報告会が行われます。ご期待ください。
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