28年度末から29年度にかけて、座間市内で聴覚障がい者の支援活動をしている「星の会」と連携して3回シリーズの聴覚障がい者(当事者)防災研修に取り組んでいます。
2月には、聴覚障がい者の方と家族、支援者へ「減災活動」と「災害対応活動」の必要性についてワークショップを交えてセミナー形式で取り組みました。
ここでは、支援者の方が障がい者の方のもとに駆けつけるまでは自力で生き残り、生き延びることの必要性についてを中心に理解をしてもらいました。
障がい者への防災講座は各地で行われていますが、その多くは支援者向けのものが目立ちます。確かに障がいをお持ちの方は、健常者に比べるとハンディがあることは理解します。
しかし、東日本震災や熊本地震の中を生き残り、生き延びた障がい者の方の多くは、自ら災害に備えていた方が多いようでした。障がい者の方々は、平時から状況に応じて支援者の方のサポートを受けながら生活をされています。
いつの間にか、「助けてくれる」ことが普通になってしまっている方も見受けられます。
しかし、冷静に考えてみてください。
災害に中でも「地震」と「テロ」には「予報」がありません。つまり、ある日突然、私たちを襲ってきます。その意味では、健常者も同じ条件にあるのです。
聴覚障がいの方は、「発声」「聴き取り」にハンディがあることから、「音」を聴くことができないことが一瞬の対応が遅れる危険性があります。だからこそ、平時からの身の回りの生活空間の安全管理に細心の注意を払わなければならないのです。そのようなことを中心に参加者同志で意見交換をしながら「災害って・・・・」ということを自分自身のこととしてイメージを持っていただくことから入りました。
そして2回目の6月18日 その生活空間の安全管理を実際にどのように進めるのかを体験型でまなんでいただきました。今日の参加者は当事者、支援者を含めて約35名でした。
今回が初めての方もいましたので復習を兼ねて前回の流れをたどりました。
前回のセミナーを受けて生活空間の安全管理の具体的行動を取った人の数を数えましたがほとんどいませんでした。それは、どのセミナーでも同じなので驚きもしません。
人間は、話は聞くがそれを「自分のこととして受け止めて➡行動に移す」ということがなかなかできないのです。
つまり、お互いに時間をかけて教え、学びあってもそれはそこで終わってしまうのです。
講師が言うことは理解できる。でも…私は大丈夫・・・という根拠のな自信包まれてしまうのです。このことは、昨日の続きの今日があるのです。これは、日々発生確率が高まっていく地震災害にだんだん近づいてゆくだけなのです。
そのようなことを含めて、今日は生活空間の安全管理を具体的に見てもらい、なぜ備えなければならないのか、そこにどのような危険があり、その危険が私たちにどのようなわざわいをもたらすのかということを様々な展示機材を使ってもらって具体的な行動への取り組みの方法を学んでもらいました。
なぜガラスフィルムを貼らなければならないのか・・・実際にガラスを割ってその破片を示してこれが体に刺さることで自分にどのような影響があるのか 障がい者であればその負傷は致命的なことになるかもしれないことを見て、感じて、試してもらいました。
そのほか、「食う」をテーマに「非常用炊出し袋」を購入してもらいその中から1枚袋を使って実際に米を入れて、水を入れて、輪ゴムをして…という一連の体験も沿てもらいました。
「出す」すなわち「排泄」についても手順を模擬の便器を使って手順と注意事項について説明しました。
「飲む」すなわち災害時の「水」の備蓄、水が無くなってしまったときの対応などについて説明しました。
障がい者の方には、課題を差し上げました。
セミナーが終わり自宅に戻って近日中に飛散防止フィルムを購入してガラスに貼り、写真に撮って星の会の会長に提出することを宿題としました。
最後に、炊きあがった炊き出し袋のご飯をどのようにして食べるかの手順を説明し、参加者全員でふりかけのお結びを食べました。
3回目は、避難所宿泊体験です。それまでに安全空間ができていること、被害をもたらすような大きな地震が来ないことを切に望んで終わりにしました。
ZSVNのメンバーは、都合のつかない会員が多く、てんてこ舞いでしたが、ベテランぞろいでうまくバックアップしてくれました。ありがとうございました。
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