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神奈川72期災害救援ボランティア養成講座が終わりました

神奈川73期災害救援ボランティア講座が始まります

2021年夏のSL災害救援ボランティア講座は7月17日、18日そして31日と予定の3日間のプログラムを修了しました。今回の募集はコロナ感染予防を念頭に置いて通常は30名の募集ですが20名の枠で募集をしました。暑さにもめげずに全員定められたプログラムを受講しめでたく20名の新しいセーフティーリーダー(SL)が誕生することができました。

 

座間市連携、県央、相模原講座も開催して5回目ですが、ようやくPRが浸透してきたのか快調な応募者があり予定の20名の受講生に受けていただけました。

 

7月30日 政府はコロナの感染拡大を防止するということで1都3県に再々度、緊急事態宣言を発出するということになり最終日の31日のプログラムができないかもしれないと緊張していました。しかし、消防本部の計らいで予約済みの分は、一段の感染防止対策をとることの条件の下で催行可能という連絡をいただきホッとしました。

 

 ここ数日、先日の妙な航跡を描いて宮城御県に上陸した台風の影響で天候が安定せずに、前日の30日、座間市でも久しぶりの雷と突然の豪雨が来て、突然レベル4の避難指示が発令されるなど心配しましたが、朝起きるとすがすがしい朝を迎えることができました。

今回のプログラムの内訳は

  • 17日はSL災害ボランティア推進委員会の澤野委員長から「災害救援ボランティア概論」を受講しました。
  • 神奈川県暮らし安全防災課災害対策担当の方の神奈川県の地域防災計画を中心にお話がありました。 丁度、災害対策基本法が5月に改正されて住民にも意味がよくわからなかった「避難勧告」がなくなって、レベル3は「高齢者等避難」行動として、レベル4は「避難指示」に変わりました。
  • これによって、レベル4の中に混在していた「避難勧告」と「避難指示」の並列状態がなくなり、「避難指示」に一本化されました。(指示通りに、避難するかが課題ですが・・・)
  • そしてレベル5はすでに「災害の中にある」ということで各自が命を守る行動をとるという区分になりました。
  • これらのほか、神奈川県の災害対策全般について県が行うもの、基礎自治体が行うものの切り分けについて話がありましたが・・・また、末端の自治体ではなかなか国や県が描く姿が見えにくい部分が残っているように感じました。
  • まあ、「県という位置づけ」が国と基礎自治体の間に挟まれてしまっている感じを強く持ちました。いずれにしても最終的には基礎自治体が定める「地域防災計画」を明確にして、責任を持てるように予算をおろしてくれるといいなと感じました。(あくまでも個人の感想です)               
  • 昼食をはさんで、「ワークショップ発災後の3:3:3」を行いました。本来であればテーブルを囲んで各グループの参加者同士が意見交換しながら発災直後の3分間をイメージして、誰が何をするのかということを確認しあい、ついて発災から3時間の間には何をするのかについて議論を重ねます。さらに1日後、2日後、3日後の、私たち市民が担う役割を確認しあうワークショップです。この討論の中から、今まで自分が考えてもみなかったことが見えてくるのです。また、何が何でも最優先だと思っていたことよりも大事なことがあることに気づくことになるのです。つまり災害時のそれぞれの人の「マイタイムライン」を考えるワークショップです。しかし、コロナ禍での研修となるとなかなか向かい合って議論できる状況でないので受講生毎に自分が取るであろう行動をシートに書き出して、読み合わせるという方法で進めざるを得ませんでした。非常に残念ですがこれ以上の接触を増やさないようにワークショップの形も変えてゆかざるをなませんでした。まあ、2月の講座は、リモートで行ったことに比べれば多少は前が見える状況なのかなと思いました。

翌18日、2日目のプログラムは

  • 午、減災普及活動に取り組んでいます。往々にして知識を学び終わってしまう方も多いようです。しかし、私たちは、OJT訓練手法で学ぶことが大切だと思い取り組んでいます。その根本の考え方は、様々な考え方はあるかと思いますがOJT訓練の根底に流れる、私たちの大先輩であります山本五十六氏の「やってみせ、言って聞かせて、させてみせ、ほめてやらねば、人は動かじ。話し合い、耳を傾け、承認し、任せてやらねば、人は育たず。やっている、姿を感謝で見守って、信頼せねば、人は実らず。」に沿う研修を展開することを目指しています。ざま災害ボランティアネットワークの訓練機材を持ち込んで初歩的な部分の指導をさせていただきました。
  • 多くの防災研修専門家といわれる方を拝見すると、本当にご自身が実践されていらっしゃるのか?と・・・感じるときがあります。私たちSLは、先ずは自身の「いのち」、家族の「いのち」を守ること。そして、何かあったときには、どこにいても常に携行している災害対応のグッズを用いて対応することが目指しています。「あーっ家に帰ればあるのに・・・」という後悔をしないことが大切です。このことは大切なことというより、信頼を受けるためにも必要最低の条件だと思っています。
  • その後、SL活動の中での危険回避や災害時の安全と衛生を学びました。ボランティアは特攻隊員ではないこと、何よりも活動は自己完結を心がける、ボランティア活動保険には加入することなどについて話がありました。
  • 続いて、普通救命講習を行いました。コロナの感染予防を行うということからこれも向かい合って行うことができないのでいつもの講習とは感じが違いました。

最終日の31日は、朝から良い天気でしたが、朝の集合前に突然にわか雨が降ってきました。これには深いわけがありますが敢えて書きません。さすが・・と感心するばかりでした。

  • 1限は「火災の話」ということで、意外と知られていない「火災の定義」から始まる「目からうろこ」の研修です。なかなかよそでは聞くことができない座間市消防本部の伝統的な講話でした。今年度から新しい職員の方が担当されましたが伝統は脈々と繋がっていました。
  • 次いで神奈川災害ボランティア推進委員会の副会長をお願いしている講師の方のお話しでした。元職は県の防災担当職員として長く務められてきた方です。元職の頃から公務員には珍しく地域での防災活動する活動者とも交流を持たれており「公の考える防災行政の考え方と」と、災害救援活動に関わるボランティア活動者の気持ちをよく理解していただいてきました。
  • これから地域で減災対応活動に取り組むことを目指しているボランティアの人にどのように取り組んだら「公」と共に活動できるかという観点からの裏話的な興味深い話でした。私事で申し訳ございませんが、私も親子ともどもお世話になりましたが、災害対応の機微よくお分かりで、ここを突けばこうなるよ的なアドバイスも頂いています。いうなれば行政の弱み、それらを補強するための民の力をいかにして結び付けられるかという切り口のお話はためになるものだと思います。

昼食ご、午後の実技訓練の準備のためのバイタルチェックが行われました。感染予防の見地から救急隊の署員の方が感染予防防具で身を固めてのチェックでした。受講者予定者は全員訓練を受けられることになりました。私たちの訓練は、平時、消防隊員が使う訓練場を使わせていただく体験型の訓練を受けられるところに大きな特徴があります。知識だけではどうにもならない世界です。訓練場に整列後指導いただく隊員の方々と対面整列を行います。

  • 団体行動が必要となるSL活動者が統制された行動をとるには「団体行動訓練」が必要です。号令の下で参加するSLの人が一斉にそろった行動をとれることは。災害時にも通じることだと思い毎回短時間ですが「礼式」という名の下で受講します。
  • 班に分かれて、実際の火炎発生装置を用いた消火訓練、ベランダから階下のベランダへ避難する訓練、そののちに、脱出シューターを使って1階まで滑り降りる訓練、屋内消火栓についての説明、最後は煙中避難訓練を体験します。消火訓練は多くの消防施設でも、水消火器の操作訓練はしますが、やはり実物の火炎に向かっての消火器の操作は焔の持つ熱や、音を感じることができます。
  • 煙の中での避難行動は、一酸化炭素(CO)を吸い込むと非常に危険です。1.3%のCOそ吸った場合には約1分から2分で死に至るとされています。私自身も、昔ある訓練で0.2%程度のCOを吸ってしまい眠気に襲われて同僚が気が付いてくれなければ危なかった体験もしています。安易に初期消火の大切さを言われて、舐めてかかるととんでもないことになります。私たちは消防隊員でもないわけです。一般的には焔が鴨居の高さになってしまったらドアを密閉にして避難することが大切であることも学びました。
  • 最後に整列をして、指導教官、隊員の方に挨拶をして訓練は終了しました。なんだか受講生はたくましくなったような気がしました。

 これで、かながわ72期神奈川SL災害救援ボランティア養成(県央・相模原)講座は終わりました。

教場へ戻って、修了式を行いました。今回は、コロナ感染予防のために、小生から修了者へ修了証を交付することを避けました。

代表者の人1名には私が手指の消毒をさせていただき代表で修了証を交付する方式で行いましたが、他の人については、消毒済みのテーブルの上に並べて、本人の名前を呼んで前に出ていただき各自が自分の手で取ってゆく方法をとりました。(五輪のメダル交付になってたわけではありません)

おそらく受講性の方々は、「なんで大げさなことを・・・」と思われた方もいたと思います。感染予防という行動はこのような細心の気配りが必要であることです。記憶に残っていただければ幸いです。

 

 本日の修了者の方はこれから、各地のSLネットワークに所属して活動をされることを期待しています。

そして、私たちは「ボランティア活動者」であり、「できることを、できるときに、できるだけ」の気持ちを忘れずに活動を続けて欲しいと願っています。

 3日間私たちの講座開催について協力・支援いただきました地元座間市消防本部並びに座間消防署部隊の方、ざま災害ボランティアネットワークのメンバーの方、神奈川県暮らし安全防災局、SL事務局の方々に感謝を申し上げあげます。

次回の養成講座は、2022年2月11日から13日の連続講座で実施する予定です。ぜひ数多くの市民の方に受講していただければと思っています。