私たちの周りには、災害時、避難行動要支援者の身近に生活をしていたり、仕事として平時から彼らに接している人が多くおります。また、災害救援ボランティア活動者としてこの分野で活動することを目指している方もいます。
私たちは、活動の中から障害者団体などから「当事者、支援者」を対象とする講演会の依頼を受けることがあります。その時、講話のの中で突然「緊急地震速報」のチャイム音を流します。残念なことに、座間市で生活をしている方以外は、ほぼ90%の方は「難だろう?」ということで全く反応を示されないのです。
これを見たときに私たちは「不思議な感覚」に襲われました。12年前の3月11日以降様々な災害が起きています。その中からの教訓がたくさん「ああすればよかった」という情報が流されていますが、結局は「お話」で終わってしまっているのですね。
万一の時に、あなたの家、施設、職場の中が災害に備えのない不安定な状況であったら何が起きるでしょうか?
あなたが、今夜、「震度6」の地震の揺れに見舞われたときに、寝室からリビングに出て時何が起きるか想像できますか? おそらく、あなたの足の裏はガラスや、食器の破片、または頭に家からの落下物が落ちてきたケガをするだろうと思います。その状況で。なたは、「支援者」になれるでしょうか?
私は大丈夫です…と胸を張って言える方はどれだけいるでしょうか?
「大丈夫って何が大丈夫なのですか?」と質問すると、「大丈夫です。食料も、水も備蓄していますから」といわれます。しかし、その前に、あなたの身体は支援者として活動できるための備えはあるのですか?懐中電灯だけでは何もできませんよ?
私たちの団体が、多くの団体と異なるのは、この視線や疑問に立って永年に亘り「災害の知識」と共に「災害を乗り越える技」を体験を通じて「危機に備える」ことを体験学習として展開している所だと思います。
地震がなぜ起きるのか?ということは現実の私たちにはあまり必要はないと思います。
むしろ、いつ来ても「わが身、家族の「いのち」と安全が守れるのか」そのためにどのような行動をとればよいのか? そして、その揺れの中で身体に危害を加える物から身を守り切れるのか?ということを生活の中に「滑り込ませて」いるかなのです。この「減災行動」をいかに普及させるか、つまりどうやったら「備えの行動化」が実現できるかのに特化して活動をしてきました。
前置きが長くなりましたが、今年は、座間市内にあります「アガペセンター」という障害者の方が生活をされている施設の駐車場を会場としてお借りして、支援者を目指す人、支援者の仕事に従事されているかた、座間市職員で避難所開設担当職員の指定を受けている方、福祉系の業務を行っている職員の方々に「体験」をしてもらいました。
体験は、何人かの人でグループを作ってもらって、必修科目、選択科目を回ってもらう方法をとりました、また、参加者の管理については「ジョイ・イベント」というアプリを使って把握することに取り組みました。
必修科目は、何よりも、①排泄の備えと、その処理方法、②食べることの備え、さらに、③灯りと情報の確保に欠かせない電気の確保、④揺れによって転倒や、ガラスが割れても飛散させないための備え、⑤家具の固定の要点、⑥水消火器での消火訓練が主流になってきています。これには様々な理由があることは承知していますが、やはり火事の炎の熱さを感じない消火訓練はあまりにもおかしいと感じています。私たちは、消防署から火炎発生装置を借りて本物の火炎の消火訓練を必須科目に入れてあります。
全体のプログラムの関係で各種目の体験時間は、約25分程度ですが、インストラクターが説明しながら参加者に体験してもらいました。やはり、女性は発電機のエンジンをかけるのに苦労をしていましたが、何回の失敗をしながら機動に成功して喜んでいました。
多くの自主防災会では、編成表に名前が書かれています。一見、組織化されているように思われますが、現実にはその方が、その時、自宅にいるかの保証はないのです。結局はその時その場にいる人にかかっています。
へ発電機があっても、起動させられなければ「無いのと同じ」なのです。
「必修科目」を体験した人は、時間の許す範囲で、「水の運搬」がいかに大変なのか、壊れてしまった食器や、ガラス破片をどのように処理をするか、被災後の生活の中でどこからも手に入らないのは「電気」です。その「電気も自助」が必要なことを、私たちの団体が取り組んでいる「マイ発電所Project」を通じて説明をしました。
多くの、訓練で応急搬送が行われています。それを見てると要救助者役(けが人または傷病者)の人は、準備された毛布の上に倒れています。そんな運のよい人はいないです。交通事故でけがをした方は道路の真ん中に倒れているかもしれません。心臓発作で倒れた人は廊下で転がっている方が普通です。その時、どうやって運ぶのですか?誤った見せかけの訓練は、被害を大きくします。このようなケースの対応なども学びます。積極的に救助役となって参加者で力を合わせて運ぶのです。
災害の中で雨が降ってきて大切な生活物資が濡れてしまう。避難所の中に更衣室スペースを作ったり、赤ちゃんに授乳する人もいます。このような時に備えて、ブルーシートと物干し竿を使って三角型のテントを作ることが出来ます。そのような体験もしてもらいました。
最後に、全員で並んで、「バケツリレー」を体験しました。これにも正しい方法があるのです。消防車が来ない場合には地域の人が力を合わせて消火作業に挑まなければなりません。その作業は、長時間にわたる活動になります。どのようにしたら効果ある消火が出来るかということを体験してもらい終わりになりました。
3年間地域は、コロナ感染予防のために、炊出しをしたご飯を皆さんで食べる体験をすることが出来ませんでした。
今日も、朝一番に参加登録そして順番に、「非常用炊出し袋」にお米を計量し、水を入れる体験をしてもらいました。その袋の中の空気を抜いて輪ゴムで口を縛り静かに20分間置いておきました。そのご飯を、ボイルして炊きあがったご飯を蒸らしておいて置きました。その炊きあがったご飯を、災害の中で手を洗う水もない時を想定して、「おにぎり」を作る体験をしてもらいました。
災害に備えて、多くの方は「アルファー化米」を備蓄します。これって、価格的に見ても高額です。しかも、賞味期限というものがあります。でも、よく考えれば「米」は大抵の家にあるはずです。この米を食べられるように工夫をすればよいのです。ちょっとした工夫で備えを平時の生活の中に滑り込ませることこそが、「頑張らない防災」につながるのだと思います。
毎年、9月になると「防災だ、防災だ」と騒いで、TVでは、だれだれが選んだ防止グッズ…などと言って2万円だとか3万円近くのものを売りつけます。これって本当に「防災なのですか?」と言ことを思い返してください。
今年は、関東大震災から100年の記念の年です。しかし、あれから2か月たちました。すでに誰も何も言わなくなりました。防災というのは、掛け声だけではダメなのです。平時の生活の中に自然に行動として落とし込まれていなければ役に立たないのです。
支援者を志すことは本当に尊いことだと思います。でも、そのためには、「支援者」としてのご自身がどうしておかなければならないかをもう一度考えてください。
おそらく、この体験型訓練は、皆さんの地元で行っているいわゆる「訓練」とは大きく異なると思います。
市民の我々にできることは限られています。でも、自身が被災者にならなければ出来ることはたくさんあります。
今日のことを「あーーーいいことを聞いてきた」だけで終わらせることでなく、行動化してください。
それが、今日の訓練のメインテーマの「真の支援者」になるための思いを、かなわせることが出来るコツだと思います。
訓練で使った、「非常用炊出し袋」、「トイレパック」は座間市役所売店で販売しています。(全国自治体では座間市だけだと思います)
今回の体験型訓練には、神奈川県内のセーフティーリーダー(通称:SL)の仲間が応援に来てくださいました。これも、訓練なのです。口で簡単に「繋がる」と言いますが、本当に「繋がる」ためにはお互いに信頼し合う関係が根底に流れていなければならないということを知って欲しいのです。
貴重な、お休みの半日、参加、または支援くださいました、座間市ニコニコ会議、施設を開放してくださいました、アガペセンター様に感謝いたします。ご苦労様でした。
※セーフテーリーダー(SL)の養成講座は、2024年2月10日から12日にかけて座間・相模原講座として座間市消防本部で開催されます。詳しくは、開催が決定次第HPなどで発信させていただきます。これは「資格」ではありません。我が国には防災ボランティア活動者が「資格」を名乗る制度はありません。あくまでも民間の団体が標記しているだけです。私たちは、災害救援ボランティア活動者です。
公益社団法人SL災害ボランティアネットワークについては、ホーム|公益社団法人SL災害ボランティアネットワーク - Safety Leader Network ページ! (sl-saigai.com) をご覧ください。
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矢吹和男 (日曜日, 12 11月 2023 15:40)
いつもお世話になります
毎年座間市役所前広場で開催する体験講座よりリアリティに富んだ体験講座が開催出来たと思います『真の支援者になろう』という標題も具体的で参加者にも理解されてたと思います若い参加者の皆様が各ブースを熱心に体験していただきました『六つの備え』というキャッチコピーはこれから改めてしっかりアピールしていきたいと思います
濱田政宏 (日曜日, 12 11月 2023 17:45)
コメントありがとうございました。おっしゃる通りです。皆様のご支援を頂きながら、他の団体ではまねができないかつ、真似をして欲しい活動を続けたいと思います。矢吹様の地区でも何かイベントがございましたら当方もお手伝いさせていただきたいと思っております。いつでもお声掛けください。ありがとうございました。