10月18日(金)第13回目を迎えた「座間市いっせい防災行動訓練(シェイクアウト プラス1 2025 in ZAMA) キックオフ講演会が、座間市消防本部4階多目的会議室で開催されました。
いつ来てもおかしくない「災害」です。まさに、10月14日 千葉県北西部でも地震が起きました。
これは私たちの力ではどうにもならないことです。
今日は、会場の関係で一般の市民の方々の参加は少なかったですが、市内の事業者、学校、団体などの方々の参加がありました。
「地震が来る」という漠然とした「ゴール」はあるのです。
時間は正確に時を刻みゴールに向かっています。
そのためには、もし、揺れてもできる限り被害を少なくするためには、このような「忘れないための訓練」が必要です。
今日は、陸上自衛隊第4施設群長兼座間駐屯地司令の橋口尚徳氏、座間市消防本部 消防長宮野 敬氏から講演がありました。
陸上自衛隊の災害への取り組み、特に、座間駐屯地は施設部隊(道路・橋梁・河川復旧・土木など)の災害に対峙する部隊です。
発災時には即応体制の初動対処部隊でなければなりません。
先遣部隊は情報の収集を含めて1時間以内に出動できる体制を維持して日夜待機を続けている部隊であること、過去の災害においても先遣隊として困難な災害現場で道路の啓開、崩落物の除去作業に従事してきたという報告がありました。とはいっても管理中隊のほか実働中隊は3個中隊であり、派遣先となるエリアは広く(第一師団隷下)、座間の部隊だけでなく他の部のほか、各地域の警察、消防などとの連携しながらの活動になるし、過去の中越地震、中越沖地震、東日本大震災でも第一線に立って活動してきた。2019年の台風19号では、部隊がある足元である相模原市道志川流域での被災地でも啓開活動のほか、行方不明者の捜索活動などにも従事してきた話がありました。今後、首都直下地震においても甚大な事態が起きることを想定しながら日夜訓練を重ねて、国民のために役に立つ部隊でありたいと願っている。という話がありました。
次いで、座間市消防長 宮野氏からは、座間市と厚木市の間を流れている「相模川」での過去の災害についての話がありました。
相模川は山梨県に水源を持つ河川で109Kmの長さを持つ一級河川です。普段は穏やかな流れであるが上流部に大雨が降れば一気に川幅一杯になる河川である。この川で過去においてバーベキューをしていたグループが後片付けの最中に3名の男性が中州に取り残されてしまい救助要請があった事案についての報告が行われました。
消防長がまだ部隊で現場を担っていた事案であったことから、話しぶりは穏やかでしたが緊迫感が漂う報告でした。
河川は、一旦 増水すると川底に沈殿している土砂や木々の破片などが流れてくることから救出については苦戦を強いられたようです。期待していたヘリも飛来せずに、中州で何とか救助を待つ砦にしていた自動車も流れに巻き込まれる事態になり、周囲のトラックの荷台にあったテーブルや、水缶などを使って「筏」を作り、中州を脱出し座架依橋の上部から落とされた救助用のロープにすがって無事に救出することができたという事案でした。災害は様々な形で私たちを襲ってくるので十分な警戒心が必要であることが伝わってきました。
最後に、この企画の協働事業者である ざま災害ボランティアネットワークの代表からShakeOut訓練の目的と、この運動の社会的意味について話がありました。3.11の東日本大震災を機にShakeOut提唱会議という組織ができました。ざま災害ボランティアネットワークはセーフティーリーダー(SL)という研修を受講したメンバーが中心となって地域防災啓発活動に取り組んでいますが、その縁で座間市でも取り組んでみないかとのお話をいただき、座間市へ協働事業として提案し、採用された運動です。
当初はなじみの薄い「造語」であった運動でありましたが、当時の安全防災課の職員の方々の協力を受けて目標人員3万人と設定してスタートしました。その後、担当職員が様々な企画を打ち出しながら取り組み、新型コロナ感染症の流行期間も取り組み今回の13回目のキックオフ講演会となりました。
私たちは、「頑張らない防災」+「おうち避難のススメ(在宅避難)」の啓発に取り組んでいます。
地域の住宅は、改築などが進み、2000年基準の耐震性能を持つ家が増えてきました。「家に殺されない」ということが一番です。
家(入れ物)丈夫であれば、中味を固定し動かないようにすれば被害は最小に抑えることができます。
市民ができることは「死なない」「加賀をしない」「火事を出さない」の3つだと思います。
そして、そのために何をすればよいのか…についてお話をさせていただきました。座間市の訓練の特徴は、訓練参加状態を見える化することにあります。ここ5年間の平均は昼間人口10万人の54%の方が、「訓練に参加する」という登録をしてくれます。
幼稚園・保育園・小中学校、高校、支援学校はすべて参加してくれます。
来年の1月23日 午前11時 合図とともに1分間身を守る訓練をします。幼保では、毎月1回の訓練を行うところも多いと聞いています。さて、来年はどうなるか? 楽しみです。
今日の話の内容は地域の実情を鑑み、具体的に行政が言いにくいことを話させていただきました。ぜひ、私たちの活動する講座や訓練、ワークショップに参加してください。お願いします。
11月1日から シェイクアウト訓練の登録が始まります。座間市のホームページ、今日のチラシからでもエントリーできます。
参加するという気持ちが災害に備える気持ちになり、行動に移ってくれることを願っています。
足元の悪い中のイベントでしたが、多数の方の来場をいただき感謝しております。
ありがとうございます。
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