
この訓練は、2011年3月11日の東日本大震災からの教訓をもとに、首都直下地震や東海地震(その後、南海トラフ巨大地震となった)に備えるために市民と行政が連携して取り組む訓練として導入されたものです。
今年で、13回目の訓練を迎えました。1月14日から17日まで開催された「ぼうさいカフェ」とともに座間の防災の取り組みの冬の風物詩になりました。
今年も、市内在住、在勤者の約53%の方々が訓練事前登録をしてくれました。訓練を「見える化」することが大事だと取り組んできました。昨年11月にスタートしたシェイクアウトキックオフ講演会に始まり、市内各所での防災講演会、防災ワークショップ、ぼうさいカフェを経てこの訓練にたどり着きます。
私たち「ざま災害ボランティアネットワーク」が行政に提言して「協働事業」として取り組んできました。多くの自治体も彼の大震災ののちには本訓練に飛びついてきましたが、首長の交代などで取り組みをやめたり、名目的な訓練になっています。座間市のような熱量を維持して取り組んでいる自治体は少ないと思います。
「こんな訓練が何になるのか?」という意見も聞きますが、災害大国日本では地変災害はいつあるかわかりません。
23日の訓練当日の午前2時49分に福島県会津地方でM5.0 震央付近では震度5弱の地震が起き、今なお続震あります。先日も、8月に続いて、南海トラフ巨大地震注意検討会が招集されましたが、今回は注意報には至りませんでした。しかし政府の地震調査委員会は南海トラフ巨大地震の今後30年以内に起きる確率について1月1日時点で改めて計算しこれまでの「70%から80%」を「80%程度」と引き上げました。大変大雑把な表現ですが、皆さんも降水確率80%と聞けば傘を持って外出されると思いますが、残念ながら「あまり煽るな」という方も少なくありません。
2024年1月の能登半島地震も、依然として続震が続いています。併せて、復旧、復興の遅れが指摘されています。一度、輪島市、珠洲市などを訪ねてみてください。
多くの人々は、自分のこととして考えないのです。この国に住むということは、災害とともに生活をするという覚悟を持たなければなりません。この思いを広げる取り組みこそが誰もが「減災行動」そして「発災対応行動」をすることなのです。「備える」ということは日常の生活の中に行動を滑り込まさせることなのです。
座間市の訓練も回を重ねるごとに、訓練手法も高度化され、災害対策本部訓練は現実対応化が進んできました。
消防は無論のこと、安全部危機管理課のみならず庁内全組織が参画できる階段を上っています。
今年度は災対都市部を中心とする「応急対策群 災害対策室」、「災対健康福祉部」からなる「救助・救援対策群 災害対策室」が参加して災対本部、県庁、神奈川県県央センターなどと連携するプログラムで訓練に取り組んでいました。在日米陸軍、陸上自衛隊隊第4施設群、神奈川県警察本部座間警察署、神奈川県県央センターなどの組織からもリエゾン(連絡調整員)が参加または見学参加して立体的な訓練が行われました。
しかし、これだけで災害に立ち向かえるかと考えるとまだまだ不十分だと思います。
「市民のいのちと財産を」守ることは基礎自治体の責務とされています。しかし、今日の各部からの対策報告のように避難所が短時間に開設されるのか? 要配慮者への救助、救援ができるのか? そんなに簡単に福祉避難所ができるのかを考えると、そんなに簡単なことではできないと考えます。被災地の生々しい体験と実戦体験がなければ「イメージ」ができないのだと思います。どいうか、自腹を切ってでも被災地にお入りなられて一市民として被災者と対面して手を差し伸べる経験をしてほしいと願っています。訓練で習ったことは、与えられた課題対応のことだけなのです。災害は生き物です。時々刻々と変化する中でいかにして行政職員、吏員として対処するかということは結局は、「ボランティア精神」で取り組まなければわからないと思います。
それは私たちにも言えることだと思います。ゆえに私たちざま災害ボランティアネットワークは座間市社会福祉協議会と連携して「災害救援ボランティアセンター(VC)」を開設して被災された人のもとに活動ボランティアを派遣する取り組みを訓練のみならず被災地へ入って学び経験を座間市へ移植し続けています。その中から得たものを、座間市に提言し続けております。
おかげさまで座間市の理解をいただき4月からは、「災害救援ボランティアセンター」を円滑に運営するためにツールである「JoyLinks」が稼働することになります。これは、スマートフォンが、ボランティア活動を支える有力なツールとして生きてくるアプリです。私たちの仲間が被災地に入り積み上げてきた体験をもとに開発された「ツール」です。神奈川県では横須賀市、座間市そして大和市が正式に稼働を決めて運用を開始していますが、残念ながらそのほかに自治体はまだ導入に至っておりません。しかし、情報では、関西方面の市町村では急速に導入が進んでおりますし、東京都の市町では検討に入っているようです。
災害対応施策、行動策は一夜にしてはなりません。一歩一歩地道な取り組みが、発災した時の対応力として成果が発揮されるものです。引き続き平時の減災活動と発災対応力の向上意識の普及活動に取り組んでゆきたいと思います。今年は、お隣の厚木市をはじめ東京電力などからも研修の形で見学に来場されていました。
訓練に参加された職員並びに関係者の皆様方ご苦労様でした。
蛇足になりますが、地球にはカレンダーはありません。災害は、あなたのすぐ隣にいます。その時、命を守り72時間生き延びる力は「自助60%」そして「隣助30%」です。このことは、私たちが阪神淡路大震災以降の被災地に入りお手伝いの中から学んできたことです。
私たちは、地変災害については「入れ物(住まい)を強く、中味を動かないように固定する」、「おうち避難」に取り組むことを打ち出しています。避難所ほど危険なところはありません。高齢化の進む中で避難所の運営は極めて困難になると思います。住み慣れた家が一番です。そのためにも「6つの備え」への取り組みを強化してほしいと願っています。
㊟この写真のオペレーションセンターの電源はすべて太陽光発電で賄われています。災害時には最小の電源の確保は出来ています。皆さんのご自宅もざま災害ボランティアネットワークの行う「マイ発電所プロジェクト」に参加して電気の自助にも取り組んでください。神奈川県はおおむね10日間程度は電気は不安定になるとしています。電気と生活用水はどこからも支援が来ません。
♯座間市いっせい防災行動訓練
#ShakeOut訓練
#生き残らなければ何も始まらない
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#公益社団法人SL災害救援ボランティアネットワーク
#JoyLinks
#6つの備え
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