私たちが、市民講座、団体の講座、学校の防災授業で「備えに」につてお聞きすると多くの住民の方は、災害の備え=「食べること、飲むこと」という答えがあります。
本当でしょうか? あなたは今まで「うんこやおしっこ(排泄)」を一度もしなかったでしょうか?
限られた予算、限られた時間の中で「備え」を考えるとどうしても安易な「食べ物」へ考えが行きやすいのも無理はないと思います。
しかし、大規模災害が起きた時のことを、真剣にイメージしてください。(私たちの企画「発災後の3:3:3」のワークショップを学んでください)
物事には、重要性と緊急性があります。(これは危機管理を考えるときの原点だといわれています)
1つ目は、「さほど急がなくてもいいのだ」けど「今やっておかないとまずいかな?」というものです。
2つ目は、「今は、さほどは重要ではない」けど「今やっておかないとまずいかな?」というものです。
限られた時間、要員、物資などの状況でこの手順が狂うと結構大変なことになります。我が家は、非常トイレを買ってあるよだから大丈夫だといわれる方がいます。私たちは。「使われたことはありますか?」と質問します。
「いやいや、簡単だから・・・」といわれますが、大規模災害が起きた中で大丈夫ですか?様々のことに考えを巡らせなければなりません。
特に、マンションのような高層の建物では、住民の合意形成を作っておかなと、被災後の片付けも進まないことになりません。
戸建ての家でも、床下の下水管(生活排水・雨水等)や汚物を流す管が壊されてしまったままに、トイレなどを使うと後日、床板をはがして、洗浄や乾燥、消毒などをしなければなりません。特に、出水(洪水・内水氾濫など)で床下または床上に水が上がった場合には、その水そのものが世の中のすべての汚れをもって襲ってきます。早期に手を打たなければ「伝染病」などの蔓延にもつながってきます。
どうでしょうか?皆さんのお家では・・・・
準備すべきものは何だろう?
人は1日にどのくらい排泄物を体外に出すか?
お概ね 尿(おしっこ)は、1回で200CC~400CC で1日で1000CC~2000CCといわれています。皮膚などからの発汗量を含めて成人は1日に3000CCといわれている根拠もここにあります。
便(うんこ)は、150g~200g バナナ1本半程度とされています。
災害が起きて、停電は確実に起きます。すると普段何気なく使っている水道の蛇口から水は出てきません。水が止まれば水洗トイレは使えなくなります。どうしますか?当然ウオシュレットも使えません。
準備はできていますか?
トイレには、お尻を拭く「ペーパー」も必要になります。ストックしてありますか?
セミナーでこのことをお話しすると「大丈夫。コンビニに行くから」という答えが出てきます。果たして「大丈夫ですか?」
家庭では家が倒壊しない限りトイレは比較的頑丈です。便器が壊れるということはほぼありません。(重量物がぶつかれば???)
家庭用の便器には「非常用トイレパック」を備蓄してこれを使って対応すれば当面は心配しなくても良いと思います。
トイレパックは、座間市役所食堂売店、相武台前駅南口コミュカフェLINLS内の「本気防災そなえ亭」で販売しています。
では、避難所はどうでしょうか?
基本的に、避難所内のトイレは封鎖されます。
普段何気なく見ている便器があれば我慢できなくなって排泄する人がいます。我慢できないので多少汚れていても、さらにその上に排泄をします。おしっこもします。やがて、便器のふちを越えてあふれてトイレの床面に流れ出します。誰かがきづいて掃除をといっても洗浄する水がないので事実上使えなくなります。何よりも、この汚染された履物で避難所の中を歩くことによって汚れや、異臭が広がってゆきます。ノロウイルス感染症が発症し避難所は危険な状態になります。
そのような過去の災害の、反省から避難所内のトイレは真っ先に閉鎖して使用禁止にすることになっています。では、私たちはどのようにしたらよいのでしょうか?
座間市内の避難所には、組み立て式の災害用非常トイレが配備・備蓄されています。このトイレを組み立て使用することになります。これを準備するのは避難されてきた皆さんの手でやらなければなりません。
また、市内の小中学校にはコンクリート枡の貯留式のトイレが設置されている場所もあります。
いずれにしても開設には時間がかかります。校庭の隅や校舎の裏で隠れて用を足すのは不衛生な行為です。
このトイレは、一定期間が来るとバキュームカーで糞便を吸いだして処理所へ運ぶことになります。
設置場所の配慮も必要になります。また、避難者に対する設置数もまだまだ不足しています。したがって、家に大した被害がない場合には、避難所へは来ないで「お家避難」が一番です。避難所はある意味一番危険な場所かもしれません。
避難所が機能するまでには、水害の場合には気象情報に合わせて事前に準備できますが、突然、襲ってくる地震や噴火などの災害の場合には、12時間から24時間程度の時間を要します。
市役所も、職員も被災することを忘れないでください。
私たちは、地球人です。
その土台となる「この星」をあらゆる面から守らなければなりません。
地球を守る17の目標の一つにでもお役に立てればと活動をしています。
協賛していただける方々の応援をお願いします。